新しいパソコンを選んでいる時、「Windows 11 Home」と「Windows 11 Pro」という2つの選択肢が出てきて、「え、何が違うの?どっちを選べばいいの?」と手が止まってしまった経験はありませんか?
「Pro」って付いている方が何となく高機能で良さそうだけど、その分価格も高い…。自分にとって本当に必要な機能なのかわからないと、なかなか決断できませんよね。
でも、ご安心ください!
この記事を最後まで読めば、パソコン初心者の方でもHomeとProの具体的な違いがスッキリと理解でき、あなたにピッタリのWindowsがどちらなのか、自信を持って選べるようになります。
専門用語はなるべく使わず、具体的な利用シーンを交えながら、あなたのパソコン選びを全力でサポートします!
【結論】Windows HomeとProの違いは?一般利用ならHome、特定用途ならProが最適解
Webサイトを見たり、YouTubeで動画を楽しんだり、WordやExcelでレポートを作成したりといった、一般的な使い方であれば「Windows 11 Home」で全く問題ありません。 ほとんどの方はHomeエディションで十分満足できるはずです。
しかし、もしあなたが、
- 会社のパソコンに家からアクセスして仕事がしたい
- パソコンを紛失した時の情報漏洩がとにかく心配
- プログラミングやWeb開発の勉強を本格的に始めたい
- 1台のパソコンでWindows以外のOS(Linuxなど)も使ってみたい
といった、特定の目的をお持ちなら、「Windows 11 Pro」が強力な味方になってくれます。
「うーん、自分はどっちかな?」と迷った方、ここから一緒に、HomeとProの違いを詳しく見ていきましょう!
一目でわかる!Windows HomeとProの機能比較表
まずは、HomeとProの主な違いを表にまとめました。何ができて、何ができないのか、全体像をサクッと掴んでみてください。
| 機能・仕様 | Windows 11 Home | Windows 11 Pro | どんな人に関係ある? |
|---|---|---|---|
| 価格 | 安価 | 高価 | 予算を最優先したい人 |
| BitLockerドライブ暗号化 | × | ○ | PCを持ち歩く人、セキュリティを重視する人 |
| リモートデスクトップ(ホスト) | × | ○ | 別の場所からPCを遠隔操作したい人 |
| Hyper-V(仮想化) | × | ○ | 開発者や、色々なOSを試したい人 |
| Active Directory/Azure AD参加 | × | ○ | 会社のネットワークに接続する必要がある人 |
| Windows Update for Business | × | ○ | PCの自動更新を細かく管理したい人 |
| サポートされる最大メモリ(RAM) | 128GB | 2TB | 専門的な動画編集や科学技術計算を行う人 |
| サポートされるCPU数 | 1基 | 2基 | サーバー級の超高性能マシンを組む人 |
いかがでしょうか?
「BitLocker」や「リモートデスクトップ」など、聞き慣れない言葉が出てきましたね。でも、ご安心ください。これらの機能が、「私たちのどんな困りごとを解決してくれるのか」を、次から一つずつ丁寧に解説していきます。
【最重要】ここが違う!Windows Proだけの5大機能
価格が高いのには、もちろん理由があります。Proエディションにしかない、ビジネスや高度な利用で真価を発揮する5つの代表的な機能をご紹介します。
1. PCの”最強の金庫番”! 強力な暗号化機能「BitLocker」
「もし、大事なデータがたくさん入ったノートパソコンを、カフェや電車に置き忘れてしまったら…?」
考えただけでも、背筋が凍りますよね。中には、家族の写真、友人の連絡先、クレジットカードの情報、そして仕事の重要なファイルまで…。万が一、悪意のある人の手に渡ってしまったら、個人情報が抜き取られてしまうかもしれません。
そんな「万が一」の事態から、あなたのデータを鉄壁の守りで保護してくれるのが「BitLocker(ビットロッカー)」です。
BitLockerを有効にすると、パソコンの中にあるハードディスクやSSDといった記憶装置(データを保存している場所)が丸ごと暗号化されます。
暗号化というと難しく聞こえるかもしれませんが、イメージとしては「データ全体を、特殊なカギがないと絶対に開けられない金庫に入れてしまう」ようなものです。
もしパソコンが盗まれても、正しいパスワードや「回復キー」と呼ばれる特殊なカギがなければ、誰も金庫を開けることはできません。たとえパソコンを分解して記憶装置だけを取り出そうとしても、中身は意味不明な文字列の羅列にしか見えないのです。
- ノートパソコンを日常的に外へ持ち出して使う人
- 顧客情報や会社の機密情報など、絶対に漏れてはいけないデータを扱う人
- とにかく情報漏洩のリスクを限りなくゼロにしたい、セキュリティ意識の高い人
Homeエディションには、このBitLocker機能がありません。 もちろん、Homeでもウイルス対策ソフトなどでセキュリティを高めることはできますが、パソコン本体の紛失・盗難という物理的なリスクに対しては、BitLockerのあるProエディションが圧倒的に安全です。
2. まるで”どこでもドア”! 会社のPCを家から操作「リモートデスクトップ(ホスト)」
「あ!あの作業に必要なファイル、会社のデスクトップPCに置いたままだ…」
「家のパソコンは性能が低いから、会社のハイスペックなPCで作業したいなあ…」
在宅ワークをしていると、こんな風に思うことはありませんか?
そんな願いを叶えてくれるのが「リモートデスクトップ」機能です。
これは、手元のパソコンやタブレットから、インターネットを経由して別の場所にあるパソコンの画面を呼び出し、まるで目の前にあるかのように操作できる機能です。
- Homeエディション:他のPCに接続しにいく「接続する側(クライアント)」にはなれる
- Proエディション:他のPCから接続される「接続される側(ホスト)」にもなれる
例えるなら、Proは「いつでも訪問者を迎え入れられる家」、Homeは「他人の家を訪問することしかできない人」のようなイメージです。
つまり、あなたが遠隔操作したい対象のパソコンがProエディションである必要があるのです。
これができれば、外出先の力フェで持っている軽いノートパソコンから、自宅に置いてある動画編集用の超高性能デスクトップパソコンにアクセスして、重たい作業の続きをする、なんてことも可能になります。
- 在宅勤務(テレワーク)に最適:会社のPCにしか入っていない特殊なソフトを使ったり、会社のネットワーク内にあるファイルにアクセスしたりできます。
- 移動中や外出先でも:急な修正依頼が入っても、スマホやタブレットから会社のPCにアクセスしてサッと対応できます。
- 家族のPCサポート:遠くに住んでいる両親のPCトラブルを、自分の家から遠隔操作して助けてあげることも可能です。(※この場合、両親のPCがProである必要があります)
この「接続される側(ホスト)」になれる機能は、働き方が多様化した現代において、Proエディションを選ぶ非常に大きな理由の一つとなっています。
3. PCの中に、もう一台のPCを作る! 仮想化技術「Hyper-V」
「Windowsパソコンを使いながら、ちょっとMacのOSを試してみたい」
「プログラミングの勉強をしたいけど、自分のパソコンに色々インストールして環境が汚れるのが嫌だな…」
そんな、少しマニアックで高度な使い方をしたい方に最適なのが「Hyper-V(ハイパーブイ)」です。
これは、一言でいうと「あなたのパソコンの中に、仮想のパソコンをもう一台(あるいは複数台)作れてしまう」技術です。
例えば、Windows 11 Proが動いているパソコンの中に、仮想のLinuxマシンや、古いバージョンのWindowsマシンを作成して、同時に動かすことができます。
この仮想マシンは、あなたのメインのパソコン環境から隔離された、安全な「砂場」のようなものです。仮想マシンの中でどんなに無茶な設定をしたり、怪しいソフトを試したりしてシステムがおかしくなっても、メインのパソコンには一切影響がありません。
- プログラマーやITエンジニアを目指して、本格的に開発環境を構築したい人
- Windows以外のOS(Linuxなど)を安全に試してみたい、知的好奇心が旺盛な人
- 古いバージョンでしか動かないソフトを、最新のPCで動かす必要がある人
一般の方がこの機能を使う機会はほとんどありませんが、IT系の道に進みたいと考えている学生さんや、クリエイティブな活動の幅を広げたい方にとっては、Proエディションを選ぶ強力な動機になるでしょう。
4. 会社でPCを一元管理「ドメイン参加」「グループポリシー」
この2つの機能は、主に会社などの組織でたくさんのパソコンを効率的かつ安全に管理するためのものです。個人で利用する際には、ほぼ関係のない機能なので、「へぇ、Proにはそんなこともできるんだ」くらいに思っていただいて大丈夫です。
- ドメイン参加(Active Directory / Azure AD)
学校や会社のパソコンにログインする時、教員や会社から与えられた専用のIDとパスワードを使いますよね。これは、その組織が「ドメイン」と呼ばれるユーザー管理の仕組みを使っているからです。ProエディションのPCは、このドメインに参加する資格を持っています。 - グループポリシー
ドメインに参加しているパソコンに対して、IT管理者が共通のルール(ポリシー)を一斉に適用する機能です。例えば、「全社員のPCでUSBメモリの使用を禁止する」「デスクトップの壁紙を会社のロゴに統一する」といった細かい設定を、管理サーバーから一括で強制できます。
- 会社の情報システム部の担当者
- これから起業し、従業員用のパソコンを複数台導入・管理する予定の経営者
5. “その更新、今じゃない!”を叶える「Windows Update for Business」
「大事なオンライン会議の真っ最中に、突然『更新プログラムをインストールしています…』という青い画面に切り替わった!」
Windowsユーザーなら、一度はこんなヒヤッとする経験をしたことがあるかもしれません。セキュリティを保つために重要なWindows Updateですが、タイミングが悪いと本当に困りますよね。
Homeエディションでは、この更新プログラムの適用が半ば強制的で、ユーザーがコントロールできる範囲は限られています。
一方、Proエディションに搭載されている「Windows Update for Business」を使えば、更新のタイミングをより柔軟にコントロールできます。
- オンライン会議やプレゼンテーションなど、中断できない作業が多いビジネスパーソン
- YouTubeのライブ配信やオンライントレードなど、PCの安定稼働が最優先される使い方をする人
- 会社の複数台のPCで、新しいアップデートによる不具合がないか検証してから適用したいIT管理者
たかがアップデートのタイミング、と思われるかもしれませんが、ビジネスの世界ではこの「予測可能性」と「制御可能性」が非常に大きな価値を持つのです。
【あなたへのおすすめはどっち?】利用シーン別・最適エディション診断
さて、Proだけのすごい機能を見てきましたが、「やっぱり自分にはどっちがいいのか、まだ確信が持てない…」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで、具体的な4人のキャラクターを例に、どちらのエディションが最適なのかを診断してみましょう!
1. 学生のAさん「レポートと趣味がメイン!」
「大学のレポート作成でWordやPowerPointを使うのがメインです。あとは、空き時間にネットサーフィンをしたり、YouTubeを見たり、たまに友達とオンラインゲームをしたり。パソコンは家に置きっぱなしで、あまり持ち歩きません。予算はなるべく抑えたいな!」
Aさんには断然【Windows 11 Home】がおすすめです!
一般的な使い方であれば、Proの機能は不要です。価格が安い分、周辺機器を充実させる方が満足度は格段にアップしますよ!
2. 在宅ワーカーのBさん「セキュリティと効率が命!」
「普段は在宅で仕事をしていて、会社のオフィスにあるデスクトップPCに接続して作業することが多いです。お客様の個人情報も扱うので、セキュリティは万全にしておきたい。たまにカフェで仕事をするために、ノートパソコンを持ち歩くこともあります。」
Bさんには【Windows 11 Pro】が必須レベルです!
「リモートデスクトップ」と「BitLocker」は、Bさんのような働き方にとって、安全・安心に仕事をするための生命線。ビジネス上の責任を果たすためにもProを選びましょう。
3. プログラマー志望のCさん「色々試してスキルアップしたい!」
「大学で情報科学を専攻していて、将来はWebエンジニアになりたいです。自分のパソコンでWebサーバーを立てたり、LinuxというOSを使って開発環境を構築したりしてみたい。パソコンの環境を汚さずに、気軽にリセットできる場所が欲しいです。」
Cさんには【Windows 11 Pro】への投資を強くおすすめします!
IT技術者を目指す方にとって、Proの「Hyper-V」は最高の学習ツールになります。失敗を恐れずに様々な技術にチャレンジできる環境は、スキルアップの最短ルートです。
4. 心配性のDさん「とにかく安全・安心に使いたい!」
「パソコンのことは正直よくわからないんですが、最近はネットショッピングでカード情報も入力するし、個人情報が漏れたりするのがとにかく怖くて…。ウイルス対策ソフトは入れていますが、それだけだと不安で…。」
Dさんの”安心”のためには【Windows 11 Pro】がおすすめです!
「Proにしておけば、万が一パソコンをなくしても中身は守られる」という事実は、大きな安心感につながります。この「安心」に価格差分の価値を感じられるのであれば、Proは非常に良い選択です。
よくある質問(Q&A)
最後に、Windowsのエディション選びでよく寄せられる質問にお答えします。
A1. はい、とても簡単にできます!
HomeからProへのアップグレードは、新しいパソコンを買い直す必要なく、ソフトウェアの購入だけで完了します。データや設定もそのまま引き継がれるので安心です。
1. 「設定」を開く
スタートメニューから「設定」(歯車のアイコン)を開きます。
2. 「ライセンス認証」へ進む
「システム」→「ライセンス認証」の順にクリックします。
3. Microsoft Storeで購入
「Windows のエディションをアップグレード」項目で、「Microsoft Store に移動」を選択し、画面の指示に従って購入します。
料金は、Microsoft Store公式サイトでご確認ください。2025年8月時点では14,760円(税込)です。
A2. これも「設定」からすぐに確認できます。
- スタートメニューから「設定」を開きます。
- 「システム」の一番下にある「バージョン情報」をクリックします。
- 「Windows の仕様」という項目に、お使いの「エディション」が明記されています。
ぜひこの機会にご自身のパソコンを確認してみてください。
A3. ゲームのプレイ自体が目的なら【Home】で全く問題ありません。
ゲームのフレームレート(fps)やグラフィックの綺麗さといった描画性能に関して、HomeとProの間に直接的な差はありません。
純粋にゲームを楽しむだけであれば、Proとの価格差で、グラフィックボードやメモリなど、ゲーム性能に直結するパーツをアップグレードする方が、はるかに快適なゲーミング体験を得られます。
まとめ:あなたの使い方に合った最高のパートナーを選ぼう!
ここまで、Windows 11のHomeとProの違いについて、詳しく解説してきました。もう一度、重要なポイントをおさらいしましょう。
- 一般的な使い方(ネット、動画、Office)なら、価格の安い【Home】でOK。
- セキュリティ、リモートワーク、開発が目的なら、迷わず【Pro】を。
- もし迷ったら、将来性を考えて【Pro】を選ぶのも賢い選択。
- 後からでもアップグレードは可能なので、まずはHomeで試すのもアリ。
エディションの違いは、単なる機能の差ではありません。それは、あなたがパソコンをどのように使い、何を大切にしたいかという価値観を映し出す鏡のようなものです。
この記事が、あなたのパソコン選びの迷いを晴らし、最高のパートナー(PC)と出会うための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたのデジタルライフが、最適なWindowsエディションと共に、より豊かで快適なものになることを心から願っています!

